LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
N//女友達への嫉妬
マンションの入り口の前に着き、鞄をオートロックシステム部分に近付け、解錠してドアを開ける。
「やっと着いたね」
「5分しか歩いてないよ。芽、体力が落ちたんじゃない?」
「そうかもね」
郵便受けから、支払いの明細書を持って来た海斗の腕に寄りかかり、ふざける芽を尻目に、ソファーに座るカップルに目を向けた。
男性は女性の肩に手を回して、女性は男性の肩に凭れて寝てる。
「どうしてここで寝て――…」
「飯島、紗英子、起きろ」
「「……」」
「起きろッ!!」
「煩いなぁ…もう誰ぇ…?」
先に起きたらしい女性。
海斗を見上げる顔は、優里さんを越えるような美人さん。