LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
父親の棺へ、私は最後に花を入れた。

手はもう冷たいけど、「おやすみなさい…」と、何年も言えてなかった一言を言った。



「…お願いします…」



棺の蓋は閉まり、釘が打たれてしまった。

もう、会えない。

…もう…。

呆然と、それを見つめるしかない私に、同情の視線を感じた。

両親と姉を喪っただけ、仕方ないとも思う。

でも、気分は悪い。

さりげなく、海斗の背後に隠れる。

私には、この子たちが居る。

海斗という旦那さんも。

だから、視線なんて気にしてたらダメ。

…ダメだよ、私…。




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