LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「下川さんが殴ってみては?」



「俺は…この件に関係ないので」



「…じゃあ、俺も話すだけにしておきます」



海斗さんは私の頭を撫で、パーカーを私の肩に掛けて、福智さんの所へと言ってしまった。

静かに話してて、会話は聞こえないけど、海斗さんの表情が恐い。



「…ねぇ、同じ経験があるの?」



「まぁ…。そうじゃなきゃ、28になってまで、独身じゃないよ。芽ちゃんと付き合うまで、空ばかり見てた」



店長は私の体を支えながら、夜空を見上げた。

一番にキラキラと輝く、星を指差して。
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