桜星サンセット
「本当に？」

「しつこいなー。アンが言う運命の人に早く出会って欲しいと思ってる」

運命の人。

それは実はコウスケなんじゃないかと思っていた。

それをアンに気付かせる事が、私が運命の人を連れて来たという事になるんじゃないかと思っていた。

アンとコウスケは結構お似合いだと思う。

コウスケは背が高いからアンと並んだら丁度良い。

顔もイケメンでは無いけれどそう悪くも無い。

最初はイジワルそうに見えた細い目は良く見ると優しくて、笑うと無くなるところなんかはかわいい。

性格だって責任感があってしっかりしてるし、なによりアンの事をよく理解している。

「自分がアンの運命の人だって思ったことは無いの？」

「あはは、そりゃあるよ。昔はね。でもはっきり言われた」

「なんて？」

「昔アンにオレとつきあえって言った。あいつが色々な男と次々につきあってた頃」

コウスケの横顔はちょっと恥ずかしそうだった。

「そしたら、コウスケは運命の人じゃないって分かってるからつきあう必要は無い、って。ばっさり」

ああ、そのはっきりした言い方アンっぽい。

「でも薄々分かってた。オレじゃないって。その時はショックだったけどな」

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