桜星サンセット
広い夜空を見逃さないように注意しながらお願い事を考える。

3回言える願い事ってなかなか難しい。

「コウスケは何を願ったの?」

「なにも」

「えー、なんで?」

「考えた事ないし。そんなんで叶うわけ無いだろ」

そうかもしれないけど、そんなのつまんない。

「今もカメラマンになりたい?」

「まだ信用してないだろ?」

「そうじゃないけど・・・」

「今は違う」

「今の夢は何?」

「夢じゃない。なるって決めてる」

「何に?」

「いいだろ、別に。何で言わなきゃいけないんだよ」

「そこまで言っておいて気になるよー。何になるの?」

コウスケは星を見たままで答えなかった。

「何になるの?言うまで聞き続けるよ」

「お前ホントにしつこそうだな」

笑うコウスケの目がいつものように無くなった。


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