罪語りて所在の月を見る
「……、は?」
僅かの沈黙のあとに、ABがやっと事態を呑み込む脳内処理に取りかかる。
しかして時間を要する。事が見えなかったわけではない、きちんと見たからこそあり得ないと思ったんだ。
端的に言えば、Cが空中で一回転した。バック転が如く綺麗に回ったが、落ちるときはみすぼらしく、まとまったゴミのようにべしゃりと廊下に吸い付く落下をした。
やられ役スタントマンの所業に見えるも、Cがただの高校生であるのは誰もが分かる。
体を回転させるまでは冬月の技。自在箒で足を引っ掻けて、手首を捻らせただけだ。
「この僕が、ブラコンだと?」
かちゃり、と自在箒のブラシ部分が鳴った。
「ひいぃっ」
たったそれだけの行動が、ABにとってはギロチンが上げられた行為に思え、弱気な悲鳴をあげてしまった。