罪語りて所在の月を見る


「……、は?」


僅かの沈黙のあとに、ABがやっと事態を呑み込む脳内処理に取りかかる。


しかして時間を要する。事が見えなかったわけではない、きちんと見たからこそあり得ないと思ったんだ。


端的に言えば、Cが空中で一回転した。バック転が如く綺麗に回ったが、落ちるときはみすぼらしく、まとまったゴミのようにべしゃりと廊下に吸い付く落下をした。


やられ役スタントマンの所業に見えるも、Cがただの高校生であるのは誰もが分かる。


体を回転させるまでは冬月の技。自在箒で足を引っ掻けて、手首を捻らせただけだ。


「この僕が、ブラコンだと?」


かちゃり、と自在箒のブラシ部分が鳴った。


「ひいぃっ」


たったそれだけの行動が、ABにとってはギロチンが上げられた行為に思え、弱気な悲鳴をあげてしまった。


< 34 / 237 >

この作品をシェア

pagetop