今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


沙良ちゃんに「お礼、一緒に言わない?」と耳打ちすると、アイコンタクトでいいよと言ってくれた沙良ちゃん。



お友達の目の前まで沙良ちゃんが連れてきてくれたので、私はバレないように小さく深呼吸をした。



「ありがとうございます」



ひとりずつ目を見てそう言うと、お友達3人は一度固まり……。



何も言われないから不安になっていると、みんな笑い始めた。



「これは光聖が好きになるはずだわ」

「なんて純粋で可愛いんだ」

「こんな礼儀正しい子初めて見たかも」



え?え?え?

光聖くんが、私のことを好き?



突然の情報に、私は頭が混乱した。



「笑ってねぇで、お礼言われたんだから何か言え」



すると、暁が助け船を出してくれて、3人は急に大人しくなり、揃って頭を深々と下げながら『どういたしまして』と言ってきた。

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