今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「みゅーちゃん、今こいつらが言ったことは気にしないでね」
「は、はい」
慌てたように光聖くんがそう言うから、お友達がふざけて言ったことなのかなと、あまり深く考えないでおいた。
………カラオケの駐車場には、中型のバイクが4台停まっていて、お友達3人、光聖くんと沙良ちゃんとはそこでバイバイした。
沙良ちゃんは光聖くんの後ろに乗り、颯爽と走って行ってしまった。
取り残された……私と暁。
無言で暁に渡されたのは黒いヘルメットで、カバンは荷物を入れる場所に入れられた。
暁は先にまたがり、何やらスマホをいじり始めた。
「……だめか?」
「え?」
……と思ったら、いきなり振り向くもんだから、ビックリした。
「乗れそうにねぇ?」
めずらしく、優しい口調の暁。
……胸の奥に違和感を覚えた。