今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「持ち上げるぞ」
暁はそう言うと、私を軽々と持ち上げ……私は後ろのシートに座らせられ、その前に暁が座った。
触れられたのに……拒否反応が出ない。
その前に……嫌とも思わなかった。
はじめて会ったあの夜。
……そういえば、暁にキスされた。
その時も拒否反応は一切出なかった。
私が暁のことを男の人として見てないからとか、そういうことなのかな。
「……おい」
「へ?」
「家、優馬くんたちが住んでるところでいいんだよな?」
「あ、は、はい」
家を知ってるくらい、お兄ちゃんたちとは仲が良いらしい。
年も違えば、学校も違うのに、何で仲が良いんだろう?
不良ってそういうもの?
謎が解けていけばいくほど、逆に暁の謎はどんどん増えていく気がする。
その謎を……全部知りたい。
そう思う私は、やっぱりいつもの私とは違う。
「掴まれ」
「……えっと……」
「腰に手ぇ回せ」
暁に突然そう言われ、言われるがまま、暁の腰に手を回した。