今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
暁を後ろから抱きしめる形になり……乗っている間は心臓が飛び出るんじゃないかと思うほど、激しくドキドキしていた。
まさか、こうして男の人に触れる日が来るなんて思ってもみなかった……。
想像したよりも大きな暁の背中は、男らしいはずなのに、まったく嫌ではなかった。
「ありがとう……」
暁は本当に私の家……というか、お兄ちゃんたちの家を知っていて、無事に家まで送り届けてくれた。
暁はすぐに帰るのかと思いきや……家の前で止まると、なぜかバイクのエンジンを切った。
「スマホ出せ」
「あ、うん……」
ブレザーのポケットに入っているスマホを取り出し暁に渡すと、暁は人のスマホをいじり、無言で私に返してきた。
返ってきたスマホの画面には、連絡帳が開かれていて、そこには"暁"の名前と、電話番号が新しく登録されていた。