梶山書店物語〈壱〉
急に伸びてきた千尋くんの手が優しく頭を撫でてくる。

あれ、怒ってない?

「ごめん。ここのホテルの鍵だとわからなくて…」

「ああ、フロント行って説明したら怪訝な顔をされたよ」

千尋くんは寝ていた体を起こした。

「テーブルに財布と携帯置いといた」

「…ああ」

かなり、疲れてるな。
返すもんも返したし邪魔しちゃ悪いし去るとしよう。

「何処行くんだ?」

「居酒屋。飲み会途中で抜け出して来たから」




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