梶山書店物語〈壱〉
羽鳥千尋は、まさかの男だった。少女コミック描いてるっていうから勝手に女だと思い込んでいた。

「最中です」

「知ってる。久し振りだな」

久し振り…………?
人は本当に理解出来ない時は固まるんだと思う。

「忘れてるのか?隣に住んでた初恋の人間を」

眉間に皺を寄せて羽鳥千尋の言葉に頭を傾げる。

微かに蘇ってくるが靄が掛かって出てこない。

隣…?実家だよな?

¨千尋くん¨

頭の中でピースが完成すると同時に思いっきり顔を上げて羽鳥千尋の顔を凝視する。





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