二人の王子さま
「うわ!赤くなってる!かっわいい♪」

軽そうにそう言う春さん。


「春、あまり帆香をからかうな」

あたしの肩を抱きながらそう言った遊馬さんは、春さんに出された本を受け取った。


「御苦労だった。もう、下がっていいぞ」


「えぇ~!遊馬様つれないっすよ!」


ぷぅっと頬を膨らませる春さんを見て、思わずクスっと笑ってしまった。


「じゃあ今は下がります~!
帆香、またあとでゆっくり話しようね♪」

そう、あたしの頭をポンポンと軽く叩いて、部屋から出て行った。


遊馬さんがふぅ、と溜め息をつく。


「・・・春の特技は変装だ。帆香、気を付けろよ」


「え?は、はい!」


正直何を気を付けたらいいのかわからず。
でも、とりあえず返事をした。





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