再会～初恋のやり直し～
そう言って、私は少し意地悪く笑った。そして続けた。

「でもね、私は今は全然違う人に心が惹かれてます。」

「お前も罪な女だな。で、それは誰だ？」

「あなたです。」

旦那がちょっと目を丸くした。

「あなとのことをもっと良く知りたくなりました。」

素直な気持ちを旦那に伝えみた。

「私は、誰かを愛したり、誰かに愛されたりとか理解できないでいました。初恋も知らぬまま今まできてしまったのだと思います。でもやっと初恋を経験した気持ちです。そうして思ったのが、あなたは私にとって一番頼れる相手だということです。三好君や市原君は好きです。でも私にはやっぱりあなたが必要だと思いました。正輝にもあなたが必要です。私もあなた達にとって必要な人間になりたいと心から思います。」

「由香。」

「私達は本当の夫婦になれないでしょうか？」

「それはエッチしてみなきゃわからんだろ？」

「はい。今晩愛してください。」

「なんか照れるな。その三好って男に負けてられないしな。よし！シャワー浴びてくるから待ってろ！」

そう言って旦那は部屋を出て行った。そしてその晩私達は始めて愛し合った。子供を作るための行為ではなく愛を確かめ合う行為。

そして、その行為が市原君や三好君のそれよりも何倍も何十倍も満たされていると感じたのは夫婦としての愛がそこにあったなのかもしれない。



< 43 / 45 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop