家族☆ごっこ★
それから私たちは大パニックになった。
大野さんの携帯に電話して
信之介が血を流してることを説明した。


「どこか切ったんでは?よく確認してみてください。」

光が嫌がって暴れる信之介をおさえて
口の中を見た。

「唇の裏に傷がある!!救急車呼んだほうがいいか!?」

「あらあら 救急車?
大丈夫ですよ。お口の中は唾液もあって血がたくさん
出るように見えるだけですって。
嫌がると思いますけど 上から少し冷やしてあげてください。
少ししたら血はとまりますから。
唇は腫れると思われるけど…歩き出すと
よくやることですから。」

大野さんは何かあったらまた連絡してといって
電話を切ってしまった。

「ほんとに大丈夫なのか?」
光はパニックになってる。

「だって大野さんが大丈夫って言ったよ。」
私は言われたように 保冷剤をタオルで巻いて
信之介の唇にあてた。

「信之介に何かあったら・・・・。」

「とにかく様子見ようよ。とまらなかったら
連絡してっていったし・・・。」

お互いイライラしててついケンカごしに言葉を放った。

信之介がそんな私たちを見てて
口をへの字にして 涙をこぼし始める。

「しん?」

「うぇ~~~~~~!!うぎゃ~~~~!!」

私たちは顔を見合わせた。
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