だって好きだから
「広瀬彼方、あなたの事」
ため息をつくと、バッと
廊下にアイツが出て行った。
「紗希!」
芹奈の声にビクッと反応して
足が廊下へと動く。
「告白なんか、聞かねーから
即決でNGだわ」
さっきの低い声が聞こえる。
方向は女子トイレ。
三人の影がアイツの前に見える。
「彼方君!!なんで!?誰か好きな子が
居るんでしょ!?他校!?紗希?」
泣き声まじりの声・・・。
多分、倖果だ。
「んな事、あんたらに関係無いから
裏で女子に色々言って好感上げようとする
タイプ、そんなんみた瞬間NGだから」
「彼方君、きついなら言ってよ!!
紗希、うちらで彼方君が楽するように・・・」
心菜のが言い終わる前に
「楽するように?、あんた
ら何様?
俺の親?親戚?姉?意味分かんないんだけど
その紗希っていうの、関係ない」
アイツが言った。