エトセトラエトセトラ
「大道具、間に合うかなあ」
廊下の隅に寄せた段ボールの山と途中まで描かれたカボチャの馬車の絵を見ながら呟く。
「心配なら作業に戻れよ。間に合わないから」
「やだ。暑い。死ぬ」
手をぱたぱたさせて扇いでみるけど、こんなものじゃ暑さはまったく解消されない。
こんな暑さの中作業するなら、間に合わない方がましだ。
はあ、とため息をついてから、彼はよっこいしょ、と立ち上がった。
そのだるそうな仕草に思わず声をかける。
「ジジ臭いよ。まだ18なのに」
「うるさい。いいから来い」
「どこ行くの」
彼に続いて立ち上がりながら訊く。
「しょうがないからちょっと休憩」