‐彼と彼女の恋物語‐
「いいの?コトじゃない女と近づいて」
「仕事、なんですから」
「仕事じゃなかったら」
「それ、は。先生の自由です」
「…ふーん(拗ねた?)」
じっと見つめられて居心地の悪い彼女は睨むようにして強制的に話を終わらせる。
納得してない彼としてはなんとかしてでも言って欲しい言葉があるが“今は”言ってくれないだろう。
「コト」
「……なんですか」
「うどん美味しい、いつもありがと」
「……いえ」
照れ隠しに無表情になった彼女下唇を噛む。笑みを作る口を自らがコントロールできない。
しかし凡てを見透かしているような彼は長い腕を延ばして綺麗な指でそれをやんわりやめさせる。
唇に指が添えられたと思うとゆっくり撫でられて傷がないか確認される。
「噛んじゃだめ、キスできないよ」
「しなくて、いいです」
「ほんと?」
「いいです、本当に…」