エゴイストよ、赦せ
僕の顔をじっと見て、ニコニコと笑ったローサ。
その後の悲しそうな表情。
「嫌いになった?」上目遣いで僕を見たローサ。
「もう会えないかも」そう呟いたローサ。
「えっと、魔法のおまじない」僕にくちづけしたローサ。
「あなたに出会うまで、あたしの心は凍っていたの。あなたの笑顔が、あたしを救ってくれたの」
僕は、今まで何を見ていたのだろう。
いったい誰を見ていたのだろう。
「初めて会ったときのこと、覚えてる?」
彼女は、どんな気持ちで、あの言葉を言ったのだろう。
「やっと、あなたにたどり着いた気がする」
彼女は、ずっと僕を見てくれていたのに。
「うん、あたしの名前。ローサ」
彼女は、ずっと僕に与え続けてくれていたのに。