幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
中腰のままだった俺は桜に抱きつかれて態勢を崩し、その場に座り込んでしまった。


桜は俺の肩に頭を乗せ、もたれかかっている。





「ちょ、ちょっと!お、お、おい!桜っ!!」




そう言っても、桜はちっとも首に巻き付けた腕を離そうとはしない。


それどころか、もっとギュッとくっついてくる。




確かに俺らは、充電する時は手も握るし頭と額をくっつける。

でも、触れるのはその2点だけだ。



こんな風に抱きしめられたことも抱きしめたこともない。
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