幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
姉貴は、ぐうのねも出ない俺を見て「交渉成立ぅ!」と言い残し、ニカッと笑ってこの部屋から去って行った。




「あーもう!何なんだよ今日は一体!」




告白しよう!と思えば桜は寝てるし、姉貴には強請(たか)られるし!









……でも、まあ。

桜が嬉しい事を言ってくれたから、いいか。

抱きついて、『大好き』って言ってくれたから、いいか。
(『大好き』はいつもの事だけれど)




温かい温もりが今ここにあるから、

いっか。











「桜。大好きだよ……」


































「……ん?……あれぇ?」



俺に抱きついていた体を離し、床に座り込んで、桜が目を覚ました。



「起きた?」



もう少し寝てて欲しかった気もするな。



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