幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
「ん?あれ?流瑠もう来てたの?」




ん?




「おいおい。さっきからずっと俺ここにいただろ?話しもしただろ?」


「えっ!?私、勉強してて、それで……??えっ?流瑠と話してた??嘘だぁー!覚えがないけど?」


「……」




桜はしっかり目を開け、首を傾げている?




「北高に進路変更の話、覚えてないの?」


「えっ!?変更のことお母さんに聞いたの?もう!自分で言うって言ったのに!」


「……」




眠ってしまって、さっきのやり取り忘れたのか?


それとも、まさか……全部寝ぼけてた?!




「さ、桜なんで、北高に変更したんだよ?」

「え?流瑠と一緒がいいから。だよ?」





ほっと胸を撫で下ろす。

良かった、あれは本心だった。





「だってさ……」




桜が続ける。




「だってさ、流瑠と一緒じゃなきゃ。誰が宿題見せてくれるのよ?学校違えば宿題も違うんだって知ってた??私、この間気付いたんだよ。間に合ったよ……気付かなかったら、3年間苦労するところだった……」


「……」


「それにさ、学校違えば、遠足やら修学旅行やらも日程も行き先も違うんだよ!知ってた?そんなの困るじゃない。流瑠が楽しく出掛けている時に、私が1人で留守番?勉強?って?ははは。やってらんない。不公平だよっ!私キレちゃうよ。精神衛生上良くないと思わない?」


「……」




イヤイヤ『不公平』って……。

逆に、桜が遠足・修学旅行の時、今度は俺が留守番と勉強になるだろう!

当たり前の事だろ……って!?




違う!!!さっきと理由が違う!!!







「そんな、自己中な理由?だったんだ?」





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