幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
どくん どくん どくん どくん




心臓の動きが半端じゃない。





すばやく桜の笑顔から目を逸らす。




なんだってんだよ!




逸らしても、痛い位に心臓が跳ね上がったまま。





なんで?どうして桜の笑顔を見てこうなる?

そういや昨日の晩も、桜を見てこうなった。






「ねぇ、流瑠ってまた身長伸びたよね?」


「そ、そっか?さっき、姉貴にも言われた…」





ドキドキうるさい心臓が桜にバレないように、平然を装った。





「うん、伸びてるよ。でも、何かさみしいや」


「は?何で?」





桜の言葉の意味が分からない。





「だって、流瑠だけどんどん変わっちゃうんだもん。なんか、1人だけ置いていかれるみたいな気がするから…」





桜はそう言いながら、真剣な顔で俺をジッと見上げる。


その仕草に、更に心臓が暴れだす。






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