レミリアの一夜物語
「アルビレオ」
そっと呟くその名前を拾えたのは幸運だった。
当のエンの表情をみることは叶わなかったが、それでもその声に宿る複雑な響きはコウの脳裏に焼き付いて離れなかった。
「アルビレオ。一つに見えて、本当は二つの二重星。その光は金と青」
エンはもう一度その名前を呟いた。
「ずっと見えない糸でつながってるみたいに離れないんだ」
コウはそのエンの言葉に胸を強く締め付けられるような感情を覚えた。
そしてコウは気づいた。
エンはそれをずっと望んでいた。
永い記憶も、その躯も、本当なら自分が背負うはずのものまでエンは一人で背負って、それなのにコウは今の光が消えたらエンの隣からさっさといなくなってしまうのだ。
そうして、ずっと独りで。
自分は一体どれだけエンの心を傷つけたんだろう。
エンは強いから、それを表に出したりはしない。
それでも、願わないわけがない。
孤独からの解放を願わないわけがないんだ。
それをもたらしたのは自分で、なのにそのエンの孤独を埋めるのもまた自分しかいない。
コウはそのとき初めて、エンを守りたいと思った。
今まで守られ、愛するばかりだったけれど。
何があってもエンを悲しませない、孤独にさせない、全てを一人で背負わせたりさせない。
そう、決意した。
そっと呟くその名前を拾えたのは幸運だった。
当のエンの表情をみることは叶わなかったが、それでもその声に宿る複雑な響きはコウの脳裏に焼き付いて離れなかった。
「アルビレオ。一つに見えて、本当は二つの二重星。その光は金と青」
エンはもう一度その名前を呟いた。
「ずっと見えない糸でつながってるみたいに離れないんだ」
コウはそのエンの言葉に胸を強く締め付けられるような感情を覚えた。
そしてコウは気づいた。
エンはそれをずっと望んでいた。
永い記憶も、その躯も、本当なら自分が背負うはずのものまでエンは一人で背負って、それなのにコウは今の光が消えたらエンの隣からさっさといなくなってしまうのだ。
そうして、ずっと独りで。
自分は一体どれだけエンの心を傷つけたんだろう。
エンは強いから、それを表に出したりはしない。
それでも、願わないわけがない。
孤独からの解放を願わないわけがないんだ。
それをもたらしたのは自分で、なのにそのエンの孤独を埋めるのもまた自分しかいない。
コウはそのとき初めて、エンを守りたいと思った。
今まで守られ、愛するばかりだったけれど。
何があってもエンを悲しませない、孤独にさせない、全てを一人で背負わせたりさせない。
そう、決意した。