永遠の愛

「あー…うん。大丈夫」

「薬飲んでるの?」

「夜の仕事辞めてから飲む回数は減ったけど」

「…そっか」


多分、怖かったからだと思う。

電話じゃ表情なんて読み取れないし、ホントの事を言ってんのか分かんないから聞けなかったのかも知れない。

症状が悪化してたらどうしようとか、そう思ってたから聞けなかったんだと思う。


「それよかどうだった?あっちの生活は」

「凄く良かったよ。向こうでさ色んな事学べたし、仲良くなった子も居たし楽しかったよ」

「そっか。それは良かったな」

「うん。行けたのは皆のお陰だけど」

「うん」

「翔には感謝してる。お金だって助けてもらったのに、まだ私は何も返せてないし…だからこれから何か恩返しする」


翔はもちろん、ママだって葵だって諒ちゃんだって、探してくれた田口先輩だって凄く感謝してる。

だから…きっとこの先も忘れることはないと思う。


「つか、恩返しって…」


そう言った翔はクスクス笑みを漏らす。


「だってそうじゃん」

「俺じゃなくてお母さんにしろよ」

「あーママか…」

「美咲が連絡あんましねぇから心配ばっかしてたぞ」

「あー…うん」

「ちょくちょく顔だしてたけどさ、絶対お前の事聞いてきてたし。なのに俺もお前の事何も知んねぇ状態だったし」

「ご、ごめん…」


小さく呟く私に翔は顔を顰めた。
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