永遠の愛

「なんか居ない間の世界が違う…」

「だから美咲が連絡しねぇからだろ」

「だって知ってる?海外から日本じゃ、通話代ものすごく掛るんだよ?一分何百円って料金取られるんだよ?」

「また金?」

「だってそーじゃん」

「つか別にいいだろ。俺の名義なんだから」

「…あ、」


そう言えば、私が持ってるのは翔名義だ。

高3の時に買って貰ったスマホ。

あんまり深く考えてなかったけど…


「だから別に心配する事ねぇのに」

「ごめん…私、未だに払ってもらってんだ…。つか、名義変更しなくちゃ」

「別にいいんじゃね?面倒くせぇし。あー、でも?新しいの買いに行く?もう結構使ってっし」

「いや、でも悪いよ。私自分で買いに行くから。24にもなった女がさ、払ってもらってるなんてありえないでしょ?」

「…あれ?美咲って24だっけ?」

「うん、そう」

「あー…そっか。俺と同じ4月だからな。つか今年の誕生日は連絡なかったから分かんなかった」

「ごめんって!忙しかったんだから」

「はいはい」


素っ気なく返してきた翔はクスクス笑みを漏らす。


「あれ…って事は翔って29になったんだよね?」

「なった」

「おっさんじゃん」

「お前待ってる間にこーなったんだから仕方ねぇだろ」

「はいはい。すみません」


そう言った私は翔と同じくクスクス笑った。
< 12 / 625 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop