嘘つきヴァンパイア様

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それから、レシィは用事があると部屋を出て行った。

一人残された涼子は暫しレシィの説明の内容を呆然と月を眺めながら考えていたが、意を決しって立ち上がり部屋の外に出た。


部屋の外に出るなとは言われてはいない。レシィが部屋を出て行く時に外に出なければ屋敷内を徘徊しても構わないと、涼子に言ったからだ。


本来ならこのようなよくわからない世界を歩き回るなど、考えられないが、すべては呉羽を思ってのこと。事故で記憶をなくした自分に優しくしてくれた。


その思いからこの世界に来たわけで、今さら拒否するわけにもいかない。


そのような思いから部屋の外で出れば、そこには長い廊下があった。



部屋を出たばかりには3メートルほどの大きな窓があり一定の間隔をあけリンドウの形をしたランプがオレンジの光を灯している。



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