嘘つきヴァンパイア様
このような恐怖を感じたことなはい。
「殺される」初めて感じた恐怖にごくりと息を飲み込み、急いで部屋に戻ろうと踵を返した時、ドンッと正面から勢いよく何かにぶつかり転びそうになった涼子の身体を背後からたくましい腕が支えた。
「…え」
「危ない。大丈夫か?」
背中に感じる暖かい体温と身体を腕に涼子が後ろを振り向くと、そこには呉羽の姿。
「え?くれ、は?」
どうして後ろにいるのだろうか。
そんな疑問が一瞬浮かんだが、涼子は慌てて腕から離れ呉羽を盾にするように背中に回りこみ、背中の服をギュウと握りしめれば「どうした?」と、言う優しい声が聞こえた。
「あ、いや」
呉羽はこの能力を知っているのだろうか。人間界にいたころ、そのような話は一切していない。
けれど、恋人で婚約までしていたのだから…それを信じ力強く呉羽の服を握り言う。
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