嘘つきヴァンパイア様
「誰か、いるの」
「だれか?」
「うん…怖い感じ。殺されるって思って」
「見たのか?嫌なもの」
やはり呉羽は知っていた。みたのか?それは涼子の能力を知っている者しか聞かない言葉。
安心し小さく頷けば呉羽はそのまま腕を回し肩を抱く。
「そうか、大丈夫だ。誰もいない」
「う、ん」
不思議と呉羽が現れたら嫌な感じは消えていた。
けれども、気のせいではない。
涼子が見たもので外れたことなど、ないに等しいから。不安から身動きを取らないでいると「ふっ」と笑う声がする。
「お前、随分としおらしいな。大丈夫だって、この屋敷でお前に手を出そうなんて馬鹿な奴はいない。涼子は俺の花嫁なんだから」
「あ、うん…」
「それに、何があっても守ってやるからよ」
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