嘘つきヴァンパイア様


肩を引き寄せ、そのまま呉羽に包みこむように抱かれ涼子の頬が少し赤くなりそれを隠すように背中に手を回せば長い髪の毛がサラッと身体に触れる。


以前は分からなかったが、呉羽の髪の毛はサラサラで良い香り。


その腕の温もりに涼子がそっと目を閉じた時、ゴホンとワザとらしい咳払いが廊下に響く。


「え?」

誰かがいる事に始めて気がつき涼子が呉羽から少し離れると、そこには一人の男性が立っておりイラッとした表情で二人を見つめ、大きなため息をはく男性。


「呉羽様、いい加減離れて下さい。目のやり場に困ります」



銀色のフレーム眼鏡をかけ、黒髪にシルバーのスーツに身を包む。


見るからに厳しそうな雰囲気を持つ彼に羞恥心を感じ慌てて離れようとすると、それを拒否するかのように呉羽が背後から抱きしめた。


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