嘘つきヴァンパイア様



ドックンと、突然頭部を鈍器で殴られたような衝撃が襲う。


ガクッと体勢を崩し壁に手を添え反対の手で額を抑える。僅かな痛みを感じ、ギュウと瞼を閉じると同時に脳内にある残像が写った。



(また、だ…っ)


何かが空からおちてきて、一人の黒髪の女の子にぶつかるとその子は倒れて動かなくなってしまう。



(この黒髪の女の子は…)


「まさか…楓?」


ハッと痛みが無くなり、頬から冷や汗が流れる。息をする間もなく背後を振り返り、そのピンっと伸びた背中に向かって走り出し大きな声で楓の名をよぶ。



「楓!にげて!」


「…え?」



(ダメだ!間に合わない!)


持っていたバックを投げ捨て、その細すぎる腕を掴み引き寄せたと同時だった。



「あっ…危ないっ!」



女の人の叫び声が響きガシャンと言う硝子が割れたような音がすると足元には割れた植木ばち
の残骸。
.
< 12 / 475 >

この作品をシェア

pagetop