嘘つきヴァンパイア様



茶色と黒色の土が一面に広がり、美しく咲き乱れていた花は割れた鉢植えの下敷きだ。



ゾッと寒気が襲う。楓にぶつかっていたら、どうなっていたんだろう。決して、ただでは済まなかっただろう。


掴んでいた手を離し、楓を振り返る。


「大丈夫、楓?怪我はない?」


呆然としたまま鉢植えを見つめる楓に声をかけると一瞬ビクッと身体を揺らし小さく頷く。




「あ、う、うん…ごめん、ありがとう…」


「ううん、怪我がなくて良かった」



そうホッとすると階段から若い女性がかけおりてきて私達を見るなり、顔を青ざめ頭を勢い良く下げる。
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