嘘つきヴァンパイア様


お互い無言で目があう。だが不意に、呉羽は薄笑いを浮かべ閉めたドアに寄り掛かった。



「なんだ。いたのか」

「はい。呉羽様に用事がございまして。お取り込み中みたいでしたので、待ってました」


「あ、そう。それは、どうも」

「いえ。それより、随分と早く抱きましたね。きちんと、機能したんですか?」


なにをだよ。と、聞く前に意味を理解したのか、呉羽は幻滅したような目でユノを睨んだ。


「下品なことを聞くなよ。安心しろ、人間でもでも一応女だ」

「左様でございますか」


寄り掛かった身体を起こし「それは失礼いたしました」とユノは言う。


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