嘘つきヴァンパイア様
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『…カトレア…カトレア?』
(…え……?)
『君は、この真っ白な薔薇のように美しい。汚れなき白さは、キミの心のようだ』
(また…だ。また、この名前で呼ばれている)
ここ数日、見ることのなかった……いつもの夢。優しい声で涼子をカトレアと呼ぶ男性の声。
涼子がいつも見る未来でない、よくわからない夢だ。
(どうして…私を、カトレアと呼ぶの?私の名前はカトレアではない。どうして、切なそうに呼ぶの?)
『あなたは、だれなの?』
夢の中、涼子はその声に答えるように問う。
すると、その声は一瞬だけ聞こえなくなった。
『…あれ』
『カトレア…君は、私を忘れてしまったのか?このわたしを』
(え?ま、待って…)
夢のなか、必死に手を伸ばすも、その声は次第に遠くなっていく。
姿など見えないのに、それがひどく、寂しいと感じる。
『待って…』
『カトレア…きみはもう、カトレアではないのか…』
『…待って、よ』
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