嘘つきヴァンパイア様


おそらく、誰かが運んだのかもしれない。そう思い、首筋から流れる汗を手で拭った。


その時、部屋のドアを叩く音が響き、ビクッと身体を震わせながら、彼女は「は、はい」と答える。


扉が開き、誰かと思えば扉の先には呉羽の姿があった。「呉羽」と名前を呼ぶ。彼はそれに答えるように、ニコリと微笑み近付いた。


「やっと、起きたか。身体、大丈夫か?」

「え?……うん…たぶん」


「多分って、なんだよ。少しでも悪いなら、悪いって言え」

黒い髪の毛を揺らし、呉羽はベッドに座る。


ギシッとベッドが音を立てながら沈み、涼子はそれを呆然と見ていた。


「随分と、魘されていたけど、悪い夢でも見てたのか?」


呉羽は頭を優しくなで、そのまま片手で頬を包んだ。


暖かいその手に、ホッと胸を撫で下ろし、聞かれた質問に「うん」と、頷く。









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