嘘つきヴァンパイア様


「そうか。起こせば良かったな。レシィが中央ホールで倒れてた涼子を見つけた時、お前、酷く顔が青かったらしいから。気分が悪いなら、寝かせておいた方がいいのかもって。それは、間違ってたな。あ、ちなみに、ここまではレシィが運んでくれた」


「レシィが?そう、なんだ…」


あの頭痛で倒れたあと、いつの間にかここにいる理由は、そういうことかと納得した。


まだ、残る怠さの余韻に、どこか意識がぼんやりしていると、頬にあった手が離れ、彼は腕を組んだ。



「で、どうして、あんな場所で倒れてたんだ?」


「え?あ…うん……ちょっと、探検してたの」



言いにくいが、言うしかない。怒られるのを覚悟し、呉羽と別れてからのことを、事細かく話した。門番ことから中央ホール、あの絵画のこと。


けれども、彼は予想外のことに怒らなく黙って彼女の話をきいた。

そして、聞き終われば「そう、言うことか」と、頷き納得しながら、長い脚を組んだ。




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