嘘つきヴァンパイア様
「あのさ、呉羽」
「ん?どうした?」
「あの絵画のケイト様って、誰なの?」
一通り説明したあと、疑問だった質問をぶつけた。
始祖、ケイトとは誰なのか。聞いたことがあるような、ないような名前。
彼女の質問にすんなりと呉羽はこたえた。
「ケイト様は俺の先祖。冥界で初の王だ。あの絵画はケイト様が亡くなった時に、始祖を敬うために書かれたものだ」
だから、涼子はあの神様をどこか呉羽に似ている気がしたのか。
あのとき感じた思いが、いま、納得できた。何世代も前だろうに、よく似ている。
ただ、髪の色だけは違うが。
「ケイト様って、どんな神様だったの?」
涼子の単純な質問に、呉羽は首をかしげ「さぁ」と肩をあげた。まるで、話を反らずようななげやりな言いかた。
聞いてはいけなかったのかも。そう、思いそれ以上聞くのを彼女はやめた。
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