嘘つきヴァンパイア様



***


「あの、レシィ?下着は仕方がなく同意したけど、やっぱりこの服はなんとかならないかな?」


「なりませぬ。それは、わたくしたちの、花嫁様が着用する衣装にございます。涼子様が着るのは当然のことかと」


あのあと、下着を仕方がなく身に付けたあと、次に出された服はここ2日着た服とはかなりちがった。


ベージュに緑色が目立つバイカラーのプリーツスカート。上半身は白い着物。腕には切れ目がはいっていて、二の腕が見える。


腰に巻かれた黒いリボンには刺繍がほどこされていた。


脚が丸見えで、靴は異様に高い。指先から足首にかけ、小さなリボンがついている靴。


人間界にいたころは、このような高い靴を履いたことがないため、歩き方は少し不自然だ。


そんなか、やっとのこで部屋に戻ってきたが、この姿を呉羽に見られることが恥ずかしく、扉のまえで駄々を捏ねていた。





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