嘘つきヴァンパイア様
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「レシィ、レシィってば!」
「え?…あ」
何度目の呼び掛けだろうか、レシィのあとを追い、数回彼女の名前を呼んだが振り向いてはくれなかった。
いつも、涼子が呼べば必ずや反応するのにも関わらず、無反応のレシィに涼子は更に不信感がつのった。
だが、ピンヒールでスラスラと歩くレシィに追い付けるはずはない。いを決して少し声をあらげればハッとしたように涼子の方を振り向いた。
「え?あ、涼子様…も、申し訳、ありません…」
「はぁっ、あ、ううん…大丈夫。気付いてくれて良かった」
涼子の言葉に、レシィはばつの悪そうに視線を反らす。
そんな彼女に、涼子はなんとも思ってないのか乱れた息を整え口を開いた。
「それにしても、レシィ。歩くの実は早いんだね」
「え?」
「私と歩くときは、ゆっくりだから、びっくりしちゃった。合わせてくれてたんだね」
基本、涼子は歩くのが遅い。人間界にいたころも友人に「遅いんだから」と、言われていたから。
だが、レシィには言われたことがなく、ひそかにレシィも遅いんだと思っていたのだ。
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