嘘つきヴァンパイア様
けれども、その映像はいつもの未来の映像とは違った。
「………あ」
走馬灯のように、沢山の記憶が涼子の脳内を巡る。
人間界にいた頃の記憶が幼き時から1枚の写真になって彼女にはみえた。
生まれた瞬間、初めてあるいた瞬間、初めて友達ができた瞬間、はじめて…誰かを好きになった瞬間……
「…あ…」
最後の写真がうかび、真っ暗になると痛みがとれるとともに、スッとある映像に取りつかれた。
『もう……あなたのせいで、濡れたじゃない』
『ごめん……つい、悪戯したくて』
ずぶ濡れの男女が大きな湖の前で頬を膨らませながら男に怒っている。
酷く怒る女に対して、男はクスクスと肩を揺らしながら笑い、濡れた女の頬を拭い優しく包む。
『なに……する気?』
『なにって、なに、だろ?』
女の顔を持ち上げ、その赤く火照った唇に男は優しい口付けを落とす。
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