嘘つきヴァンパイア様
ピクリと震えた女の手は、そのまま男の服を握る。
誰もいない湖には、月明かりがひかり、唇が離れた瞬間、女はクスリと笑った。
『…え…っち』
『それは……お前だろ?昨日、あんなに乱れてたくせに』
『それは…貴方のせいじゃないっ』
『あー…はいはい。可愛いやつだよ。お前は』
そのまま、女の額に男がキスをすると、その顔がみえた。
(あ……あれ、は)
「……くれ、は?」
涼子が見た顔は呉羽だった。
(どうして、こんな映像が…)
頭を悩ませると、その映像は一瞬して脳内から消滅した。
けれども、涼子がみた映像は強く頭に残ると同時に激しく彼女を動揺させるものだった。
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