嘘つきヴァンパイア様



奇妙なことに、恐くないのに、何故かからだが震え、その身体を守るように脚を抱えると「涼子?」とか彼女の名前を呼ぶ声がする。


「あ……く、呉羽……?」


そこには、びしょ濡れの彼女を見るなり怪訝そうな顔をした呉羽がいた。


涼子に近寄り、しゃがみこむ彼女の隣に同じようにしゃがみこむ。


「なんだよ、その格好。誰かにやられたのか?」

「あ、ううん……ち、違うの……」

「なら、どうした。レシィはどこだ?おまえを外に一人にしたのか?」


「レシィは悪くないの!私が、お茶を飲みたいって頼んだから、今はいない。だから、怒らないで…レシィのこと」


呉羽の少し怒りを含んだ瞳に涼子は恐くなった。レシィを怒るのではないかと。


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