嘘つきヴァンパイア様
必死で庇うような台詞に呉羽は諦めたように頷いた。
「わかった。だけど、なんでびしょ濡れか、その理由くらいきかせろ。俺の花嫁をそんな目に合わせたんだ。ただじゃおかない」
「それも、違う。わたしが、勝手に落ちたの。考え事してたら、ドボンと」
「本当に?」
「本当だよ。あの、それより…呉羽?」
先程みた、夢のことを言ってもいいのか、彼女は少し迷う。けど、あれは呉羽には間違いない。
(それに、もしかしたら、あれは私と呉羽との記憶なのかもしれない……)
「どうした?涼子」
「……うん」
ポタッと首筋を伝う雫を拭い、彼女は呉羽を見上げた。
「呉羽と人間界で付き合ってた時、どこかの……大きな湖に行った?」
「…え?」
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