嘘つきヴァンパイア様
「……え」
呉羽と涼子を交互に見つめ、目が合うとバツの悪そうに視線を反らす。
(もしかして……今の、見られてた?ずっと、そこにいたの?)
今までしていたことを思いだし、一気に彼女の顔が林檎のように真っ赤になる。
彼らの存在など、目にも入らないほど呉羽に夢中だったのだろうか。
あまりにもの恥ずかしさに「変な気分」など、吹っ飛び涼子は呉羽から離れ、乱れた胸元を直す。
まるで悪い事をして怒られる子供のように正座をすれば、反対に呉羽は少し不機嫌そうに「家来」達を睨んだ。
「邪魔をするな。こういう時は黙って姿を消すのが、主を慕うと言うことだろう」
離れていた涼子の腕を掴み、素早くその腕におさめる。
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