嘘つきヴァンパイア様
言われた言葉の意味が分からなく、苦笑いを返すと男は涼子に近づきその涙を拭う。
「………あ」
物凄く冷たい手が、触れた瞬間だった。
『…駄目だよ。きみは、ここいなくては、ならないんだ』
いつもの映像が一斉に頭を過る。
『どうして……こんなことを……』
『あいつに、罰を与えるためだよ。それに君を利用させてもらう』
(…な、に……これ……)
両手を固い鎖で縛られ身動きが出来ない姿。それは、涼子自身の姿だった。
あぶない。脳内で警報がなり、その手を避けるように身をひく。
「あ…ごめんね。いきなり触って失礼だったかな」
「い、え…」
なんと言えばいいのだろう。気まずい空気が流る。だが、見ず知らずの神様に何を言えばいいか。
迷っていると、男の背後から声がした。
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