嘘つきヴァンパイア様


***

そして同じ日、月が赤く輝いたころ、呉羽は涼子の部屋にいた。広いベッドに座りながら、雑談をしている。無論、話している内容は昼間にあったギルドのことだ。


「なるほど、じゃあ、ギルド様は冥界の下界って場所に住んでいるんだね」

濡れた髪の毛を乾かしながら言うと、「あぁ」と返事がかえってくる。



呉羽曰く、ギルドは冥界の下界に住んでいるらしい。下界とはこの屋敷があり、城下街がある。その奥に森があり、そこを冥界の神は下界と呼ぶ。


「そうなんだ。でも。どうして下界に?兄弟なのに一緒にすまないの?」


(仲が良さそうには見えなかったけど、家族なんだし…どうしてそんなに離れた場所に住むのかな)


「それは、ギルドが王の座を捨てたからだ。本来なら、兄であるギルドが冥界の王になるはずだった。だけど、あいつはそれを拒否し、下界に自ら別居したんだよ」


.
< 231 / 475 >

この作品をシェア

pagetop