嘘つきヴァンパイア様


(思えば、詳しく聞いたことなかったかも。前王はなくなったって、聞いたことがある気がするけど……記憶はあやふや)


彼女の質問に呉羽は言う。



「もう、どっちもいない。だから俺が王として冥界にいるわけだし。ちなみに、髪の色はどちらでもない。俺の一族は黒じゃなくて、あの色って決まっている」


「そうなの?なら、どうして黒なの?突然変異とか?」

「そう」と適当に流す呉羽に彼女は「うそ」と返す。すると、笑いながら髪の毛を指に絡ませた。


「ばれた?実はあの色、好きじゃないんだ。だから、俺の力で黒にかえている。本来はあの色だよ」

どうしてだろうか。あのように綺麗なマロン色の髪。


人間の世界なら人工的にしかあの色は出せない。それをわざわざ、髪の力で黒にかえる必要はあるのか。



涼子は自分の真っ黒の髪を触る。一度も染めたことのない髪。学校で禁止されていたから。だから、自然とうらやましいと思ってしまう。


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