嘘つきヴァンパイア様


「そうなんだ。綺麗な髪なのに。ずっと黒でいるの?」

「なんだよ、それ。遠まわしにギルドのほうがカッコいいって言いたいのか」

組んでいた手を離し、そのまま涼子に背をむける。


「え、なんでそうなるの?そうじゃなくて、マロン色の呉羽も見てみたいなってこと。呉羽のほうがカッコいいに決まってるよ」

彼女がその背中に縋り付くように抱きつくと、呉羽の身体が少し震えた。


腹部に手を回し、少しの隙間も無いくらい抱きながら「怒ってる?」と問う。


けれども、返事はない。冗談で聞いたつもりがまさか本当に怒っているのか。


涼子は不安になり、抱きついたまま顔をあげると、振り返った呉羽が言った。


.




< 234 / 475 >

この作品をシェア

pagetop