嘘つきヴァンパイア様
「悪いな。涼子」
悪い。とは、食べられなくてごめん。そう、言いたいのだろう。
「ううん。少し残念たけど、大丈夫だよ。気をつけて、行ってらっしゃい。」
繋がれた手の腕に絡みつくように、抱きつくと呉羽はそのまま涼子の額にキスを落とす。
「分かった。帰ってきたら、甘えてさせてやるよ。最近、してなかったから……涼子も俺不足だろ?」
「え…あ……!」
言われれば、最近は記憶のことばかりで、呉羽と甘い時間は過ごしていない。
胸が高鳴るような誘いに、涼子は頷く。
「もう。でも、待ってるね」
囁くような小さな声に、呉羽はニコリと微笑み彼女を胸に抱き締めるのであった。
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