嘘つきヴァンパイア様


「どんな雨なの?冥界の雨は人間界と同じなの?」

「同じといいましか…似て、異なるものでし。本来ならば、冥界に雨はふりません。ですが、そのようなわけにはいきませんので、空界にいる風神様と雷神様に頼み、雨を降らせるのでし。なにぶん、彼らは気まぐれですので。本日がその気分がいい日なのでしょう」


空界とは冥界とは違う世界のこと。そこには、風神と雷神がいる。


彼らは特別で、動物の血は引き継いでいない。



天界が作られるさらに前から一族は存在しているが、詳しいことはわからない。


「そうか…それなら、雷も鳴るのかな」


「お嫌いでしか?」


不安な顔をした涼子にレシィが声をかける。


「あ、うん。苦手かな。昔から、魂って言うか、胸が怖くなるの」


胸元の服を握ると、まるで、狙ったかのようにぽつぽつと空から雨が降ってきた。


雨が窓ガラスにあたり、美しい景色がぼやけていく。


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